「人手不足」というキーワードを聞かない日がないと思うのは私だけでしょうか?
先日書いた「建設業で若者が来ない3つの理由」の記事に、今まで以上の反応がありました。
それだけ「新卒」採用が厳しい現実と、なぜ若者が来ない?と悩む人事担当者が多いということなのでしょうね。
今日は引き続き「建設業関連」の話です。
職人の高齢化問題に悩む現場
建設業(建築現場)はその道のプロがたくさんいます。
そして今、職人さんの高齢化問題が迫ってきています。
昔ながらの職人さんに付いていく若者が少なくなっていることが一番の理由なのだと思います。
「今どきの若者は~」と諦めていたのでは、せっかくの技術が引き継がれない。
それは会社に取っても、お客様にとっても不利な話です。
どの世界でも、机上で理論やスキルを学んだだけでは現場で何の役にも立ちません。
どれだけ経験を積めるかがプロになるための条件です。
また、現場で臨機応変な対応が出来てこそお客様からの信頼も得られ、次の仕事にも繋がりますね。
となると、職人技をどう継承していけばいいのか?となります。
押し寄せる人手不足の波はこんなところにも影響を及ぼすのです。
ニートを採用しようと決断した社長
この状況を見事に解決した会社がありました。
普通に求人を出しても応募がない。
職人の高齢化は進むし、先行きが心配だったそうです。
そんな時、新聞に載っていた記事が「ニート人口が70万人」というもの。
ここに若者がいるじゃないか!と閃いた社長さんの発想がドンピシャとハマり、現在は人手不足が解消されているのだそうです。
当初、「ニートを雇う」ことに社内全員が反対したとか。
確かに、働いた経験もあまりなく人と関わることが苦手そうな若者がちゃんとやって行けるのか?と心配になるのは当然です。
「全員反対だったからやってみた」とおっしゃる社長さんの覚悟が見えますね。
通常であれば、反対されたら躊躇してしまうところです。
きっと、それだけ人手不足への危機感が強かったのだと思います。
この会社が素晴らしいのは、育成に対する取り組みがしっかりしていた点でした。
研修期間が会社の都合ではなくて、働き手に合わせた内容だったのです。
どういうことかというと、「ニート」の現状を理解出来ていた。
例えば、「いきなり長時間の座学はしない」、「すぐに現場に引っ張り出さない」などです。
それって甘やかしじゃない?と思いますか。
私は「ニート」の就労支援も経験しているので、このシステムは理にかなっていると感じました。
彼らは社会に出るタイミングを見失ってしまったケースが多いのです。
今の状態がいいとは全然思っていなくて、ちゃんと働きたいと願っている。
でも、自信をなくしているので何から始めたらいいのか分からないのですね。
そこを理解しないで焦って現場に出し、慣れない仕事を長時間させてしまうと「出来ない自分」を責めて続かないことになります。
実は、そういう残念な事例を見てきています。
どんな人に働いてもらいたいかを再検討
先の社長さんもおっしゃってますが、ニートと言われる方は特別な人ではありません。
真面目で、言われたことはコツコツとやります。
しいて言うならば、人とコミュニケーションを取るのが苦手な方が多いです。
ですが、これって建設現場では何の問題もないですよね。
ひとりで黙々と作業を進め、きっちり仕上げてくれる人材です。
全く会話が出来ないわけでもありませんから、困った時の相談の仕組みが明確なら業務に差しさわりはないのです。
仕事内容にもよりますが、人手不足だからとにかく数を!と採用するのはそろそろ止めませんか?
これまでの経歴がなくても、育成次第では立派な戦力になってくれます。
「そんな時間の余裕も、研修をするお金もない!」と言っていたら、既存の社員に負担がかかり業績も上がっていきません。
そうなる前に、将来への人材投資を再検討する時期が来ているようですね。
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